境界性人格障害(または境界性人格障害傾向)の特徴
境界性人格障害は別名、境界性パーソナリティ障害、ボーダーライン、境界例などと呼ばれるコミュニケーションの障害です。
1980年代まで精神病と神経症の中間領域にある精神疾患と仮定されており、「境界例(ボーダーライン)」と呼ばれていました。
境界性人格障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は、アメリカの精神医学会のDSM-IV-TRでクラスターB(B群)に分類される人格障害であり、衝動性、攻撃性、気分の不安定さ、対人関係のトラブルの多さ、などに大きな特徴があります。
境界性人格障害の特徴として、衝動的な自己破壊行為や強い見捨てられ不安、自傷行為、希死念慮、自己概念の混乱、不安定な対人関係、不適切な認知、衝動的な行動、不安定な情動、本来持っている能力の低下などが青年期もしくは成人初期に多く生じます。精神療法と薬物療法によって治療が進められるのが一般的とされ、20代の患者が最も多いものの30代半ば頃から改善するケースが多くなっていました。
しかし、薬物治療はあまり効果が見られないことが多く、最近は歳を重ねても適切な治療を受けていないと回復しないケースも見られます。
境界性人格障害では、『自己アイデンティティ』が拡散して自分の存在意義や生きがいを見失いやすく、そういった虚無感や虚しさの感覚によって思考や感情が不安定になり、衝動的行為が目立ち、主に対人関係(異性関係)やギャンブル、ドラッグ(アルコール含む)、食事(摂食障害)などに過度に依存してのめり込みやすくなるという問題があり、自傷行為や自殺といった危険もあります。
境界性人格障害の特徴を持っている人は、気分の波が激しく感情が極めて不安定なので、さっきまで理想化して褒めていたような人に対しても、何か自分に否定的な発言などがあると急に怒り出して、攻撃的な罵倒が止まらないほどに興奮してしまうこともあります。
さらに精神的な不安からパニックに陥る、うつ状態に陥る、他者との交流が困難となるなどの症状がみられ、患者によって違いがあります。
境界性人格障害の特徴として一過性の精神障害が出る場合は、強いストレスが影響していると考えられており、状況によっては短期間での改善が見られます。
現在では主にアメリカでの研究がすすんでおり、うつ病などの気分障害との関連性が考えられています。
遺伝学的研究や生物学的研究も行われ、対人関係においては状況により正常な人間であっても理性的判断を失い悩むことがあるので、境界性人格障害は決して特別なものではなくなってきているといえます。
トゥルーリソースカウンセリングオフィスでは、対人関係の中から見捨てられ不安や衝動性による自傷行為が悪化することに着目し、家族や近い人との関係を改善することにより、多くの方が回復しております。
家族、パートナー、友人など
周りの方のためのカウンセリング
また、境界性人格障害(または境界性人格障害傾向)の方への対応、
家族、パートナー、恋人、友人知人の方のためのカウンセリングを行っております。