境界性人格障害(または境界性人格障害傾向)の自覚と現れ方
境界性人格障害であるという自覚は無いまま、うつがひどい、気分がすぐれない、倦怠感がある、といった症状で来談される方や、過量服薬やリストカットをして、心配した家族や周りの人たちに勧められて来談される方が多くいます。境界性人格障害(または境界性人格障害傾向)と診断された約60%から90%以上の人が、他の障害(うつや依存症など)を併発しているといわれています。
今の苦しい状況や問題の理由が、パーソナリティにあると正確に捉えている人はあまりいません。ほとんどの場合、周囲やストレスのせいだと思っています。しかし、来談して原因を理解することで、だんだんと自覚していきます。
病名を自覚することに対して抵抗がある人も多く、時間はかかりますが、原因に向き合っていくうちに、自分自身とも向き合えるようになっていきます。自分の症状を理解することが、改善に向けて一番大切なことです。
境界性人格障害(または境界性人格障害傾向)の症状として、感情、行動、対人関係の不安定さが挙げられます。
極端な感情の揺れ、衝動的に起こす問題行動、対人関係のトラブルなどが多く見られます。
症状は多様ですが、大きく以下の3つに分類されます。
●感情の不安定さ
見捨てられるかもしれない、という不安を常に抱えており、些細なことで急に怒ったり激しく落ち込んだりします。
調子が良くなっても、急に不安や焦燥感に襲われることがあります。
●行動の不安定さ
過食や家庭内暴力などの衝動的な行動を繰り返したり、自殺すると言って騒いだり、リストカットのような自傷行為をしたりします。
薬物に手を出したり、無防備なセックスに走ったりすることもあります。
●対人関係の不安定さ
相手のことを絶賛していたかと思えば、少しでも期待が損なわれると、いきなり責め立てたり、怒ったり、悪口を言ったりします。
人に対して過剰な理想化と過小評価を繰り返し、安定した人間関係を築くことができません。
自己イメージ(自分はこういう人間である、というイメージ)が不安定なために、感情に動揺があったとき、自分を傷つける行動を取りやすくなります。
また、認知の仕方にも不安定さがあり、対人関係でのストレスがきっかけで妄想的な思い込みをしたり、自分が自分でないような離人症状に襲われたりして、問題行動を起こしやすくなります。
症状の現れ方は様々ですが、共通して、感情、行動、対人関係の面で、極端な不安定さが見られます。激しい感情の揺れが対人関係に影響したり、逆に対人関係のストレスが感情を不安定にしたりします。
トゥルーリソースカウンセリングオフィスでは、専門的な知識と確かな技術を持ち、境界性人格障害治療の第一人者として活躍するセラピストがカウンセリング・セラピーを行います。
薬物療法は、症状の一時的な緩和のため用いることもあります。過量服薬の危険性があるため長期間の投与は行いませんが、無意識に衝動的な行動を起こしてしまう場合、とても有効です。
薬物療法を使わず治療することもできますが、必要なときは専門の医療機関をご紹介させていただきます。
家族、パートナー、友人など
周りの方のためのカウンセリング
また、境界性人格障害(または境界性人格障害傾向)の方への対応、
家族、パートナー、恋人、友人知人の方のためのカウンセリングを行っております。